54番
54番さんといえば「ガラガラ」です。
さて、54番さんは20話の投稿です。それに対し+3を6話、−3が2話。ヒット率は高くなかったです。
しかしながら−3はわずか2話。ということで、ど真ん中ストライクじゃないけど、平均的な作品が多かったのかな。
そんな中で記憶に残った作品。ど真ん中ストライクの感動を再び。
「天井」。
お父さんの突っ走り方がツボでした。しかも上手に後日談を織り交ぜてるから嫌味が無くて「親父、それだよって言いたかったけど、もう黙ってましたよ。」で大笑いでしたもん。
「ガラガラ」。←「超−1」本推薦候補
このインパクトは忘れられません。怪異もさる事ながら、仕掛けた人の嫌らしさがたまらんかったです。八つ当たりなんて最低でしょう。だいたい相手を間違ってるしね。
読後感として「こんな体験を強いられた体験者は件の工場長を始め役員の人たちに対してどう思ったんだろう」ということ。本社に戻った後どう報告したのかなと意地悪な事を考えてしまいましたよ。そしてその嫌な人たちのその後。再就職できたんかなぁ。
「2年後」。
遺骨の正体は分かったんですか。それが気になる現在進行形怪談です。
お父さんの先を見越した、ある意味予知的な遺書が印象的でした。
「やさしさに包まれたなら」。
話者のほんわかした雰囲気と話が合ってて、好きな短編でした。
「甘味」。←「超−1」本推薦候補
こういう「疑似体験で仏様を供養する」という話は大好きなのです。類話は多々あると思うけど内容がちょっと別格でしょ。
普通それは知人であったり身内であったり、我が家ではペットでしたが、だいたい身近な存在の変わりに何かする、という事が多いんですよね。生前出来なかった、したくても出来なかった、その代わりにする。だからなくなった直後とかが多いんじゃないかな。でもこれは亡くなった人がかなり昔でしょ。しかもおどろおどろしてなくて、とても品格が感じられた。恨んでいると言うより「貴方なら分かりますよね」とお願いされた感じかな。体験者は何だか分からないうちに操られデザートを食べに出かける。そして起き抜けだというのにペロリと平らげる。
「ファミレスで食したデザートが途方もない数であったならば」という講評もありましたが、私には返って3皿食べた、という方がリアルだった。数じゃないんだよ、食べるという行為が大事なんだってば、と。そして体験者が「何かいい事をしたみたい」と感じた事が凄く良かったです。その感情で、城跡に残っている女性達の想いが伝わって来たから。
「雪」。
そして静かな夜の怪異。これはしんしんと降る雪に合わせたような、底冷えのする怪談でした。個人的に「通りすがりのあやかしが話し掛けてくる」というのが嫌なんですよ。講評にも書いたけど「存在をそれ以上アピールすんじゃねーよ」と言いたい。ほっといてくれと。これは体験者じゃないと分からないのかなぁ。
一体、奴はなんだったんでしょうね。本当に、その後車は大丈夫だったのかしら。
最後に「伊豆」について。
これは筆者自身の体験談じゃないでしょうか。すごく思い入れが強く、感情が先に来てから回りしてる印象を受けました。
内容は凄く悲しくて、辛い体験だと察せられるんですが。
順番としてこの話を最後に回し、丁寧に書き上げたら高評価が得られた大作じゃなかったかなと思えてなりません。
Category(作者講評 2006)| Coment(0)| Track back(0) | EntryLink2006-06-22
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